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脱炭素をサプライチェーンで考える! 「GXマネジメントの戦略・実践セミナー」の概要と要点【第3回 戦略・実践編】

更新日:2022年10月14日



【第3回 戦略・実践編】 ~GX戦略ロードマップ策定手順とGHG削減ソリューション紹介


<講演者>

アビームコンサルティング株式会社

産業インフラビジネスユニット

ダイレクター

山本 英夫 氏


あるべき戦略ロードマップを導く4つの手順


GXマネジメントを実践する上では、GHG排出量の現状把握に基づいた戦略策定に始まり、優先すべき対策の実施、モニタリング/評価を経て見直しを行う、PDCAサイクルを回し続ける必要があります。

そこでまず行わなければならないのがGX戦略のロードマップ策定です。


アビームコンサルティングの山本 英夫氏は、「GHG排出量の算定およびコスト分析などの現状分析をもとに検討対象範囲を設定し、GHG削減対策の投資対効果の評価に基づいて、カーボンニュートラル実現に向けて実施すべきGHG削減対策の優先度を明示したロードマップを策定します」と語り、次の4つの手順を示します。


1つめは、現状分析。算定方針や算定対象範囲を整理し、Scope1(事業者自らによる直接排出)、Scope2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用による間接排出)、Scope3(事業者の活動に関連する他社の排出)のそれぞれの排出量を算定します。


2つめは、施策実施方針の整理。エリアや組織、あるいは排出源など検討対象範囲を設定し、準拠する国際イニシアティブ(RE100、SBT、CDPなど)を定義するとともに、目標およびタイムラインを決定します。


3つめは、施策評価。Scope1については省エネ、電化、脱炭素燃料への転換、CCUSなど。Scope2については省エネ、オンサイト/オフサイトPPA、小売りメニュー、再エネクレジットなど。Scope3についてはサプライチェーン全体でのGHG削減に向けた自社およびステークホルダーとのGX推進施策など施策ごとのGHG削減コスト(円/tCO2)を算定し、優先して実施する施策を評価します。


そして4つめが、戦略ロードマップ策定。上記の3つのステップを受けて目標・施策・コストなどを総合的に分析し、ロードマップとして整理していきます。

もちろん一度定めたロードマップは絶対というわけではなく、「市場パラメーターの変動に基づいた継続的な見直しが必要です」と山本氏は説きます。



Scope別GHG削減ソリューション導入の考え方


戦略ロードマップに基づいて具体的な対策を進めていきますが、ここでもScopeごとに求められる対策は異なります。言い換えれば、Scopeごとに投資対効果が高いソリューションを選定することがポイントとなります。

「まずは自社内で取り組むことができるScope1およびScope2からソリューション導入を検討し、GHG削減アクションを実施します。続くScope3では自社内での取り組みだけでなく、サプライチェーンでつながる取引先などステークホルダーとの協働スキームを構築する必要がでてきます」と山本氏は語ります。


なお、リスク回避の観点からこうした対策を進めていくことももちろん大切ですが、本セミナー第1回の「基礎編」でも話があったとおり、カーボンニュートラルへの取り組みは「変革へのチャンス」としても捉えることができます。「その意味からも、ここで導入するGHG削減ソリューションをうまく活用し、収益化を目指すことも非常に重要な取り組みとなります」と山本氏は強調します。


たとえば昨今、電力会社の課金メーターより需要家側にある需要家設備(発電・生産・空調・冷蔵設備、蓄電池など)を電力システム側の要請もしくは価格シグナルに基づき設備を制御し、電力需要を変動させることにより電力システム側に対して価値提供するDSF(Demand Side Flexibility)というビジネスモデルが注目されています。


GHG削減ソリューションによる導入アセットをこのDSFとして活用することにより、単にGHG排出量を削減するといった効果を得るだけでなく、新たな収益源として活用していくことが可能となるのです。





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